住まいと価値
「住まい」は商品的な価値判断ができるものではありません。
「住宅」の価値を計る時に、使用している材料が高級品だから
高級だと判断してしまうのでは、住宅本来の性格から
かけ離れたものになってしまいます。
不特定多数の相手を対象にして、「商品」として「販売」されている
「住宅」のなかには、高級品を使っているとか、高級感があるとか、
高機能であるとかを売り物にしているものもありますが、
こういったことは「住宅」の価値を判断する上で
それほど重要な要素ではないと思います。
本当に価値のある「住宅」とは、使う人の為に隅々まで
創意工夫が行き届いた、「住まい」となるべく素質を
備えたもののみと考えます。
また、これまで日本で建物は、一部の歴史的な価値を持つもの以外は、
土地のおまけ的に扱われてきました。
本来土地とは、利用されて始めて価値があるものだということは、
だれでも知っていることです。
「良い建物」を建てて、または建てられる事を証明して、
始めて価値判断ができるもののはずです。
同じエリアにあっても、「良い建物」が有るからまたは建てられるから、
全体としての価値も上がる。
これが本来の不動産価値なのではないかと思います。
しかし、本来「住宅」は資産としてみるよりも、「住まい」として
充実した使い方をするべきと考えます。