人が人を思い、感じ、考える。

住まいと住宅

本来「住宅」とは、生産品でありながら、
工業製品とは性格を異とするものと考えます。

「住まい」とは、生活の3要素である「衣・食・住」のうち、
「住」を司る所であることは皆さんご承知のとおりです。

この世の凡そ大多数の方々は、その人生の中、生活の中において、
最も長い時間を過ごす所が家の中です。

あるときは人の輪ができ、団欒の場を形成し、また、
あるときは一人の時間を過ごし、プライバシーを守り、
心身共なる疲れを癒し、そして「住宅」は「住まい」となります。

つまり、「住宅」とは住むための器であり、人が使って、
各々の個性が染み込んで、始めて「住まい」とよべるものになるということです。

ですから、「住まい」と成り得る「住宅」には、元来それなりの要素を
備えているべきだと思っております。

住宅のハードウエアとしての価値は、あくまでも世間一般的なものです。
自分だけのものではありません。

「住まい」としてのソフト的な価値こそが、
各個人にとっての最も大事な価値であると考えます。

動物である人間は、本質的に適応能力が備わっています。

ですから、どんな「器」を与えられてもそれなりに使いこなすでしょう。

また「同じ器」を与えられても、その個性によって使いこなし方も変わってくるでしょう。

しかし、予めその各々の個性に合った空間が創られていれば、
またその各々の個性に合った工夫がされていれば、
そして素敵なデザインが施されていれば、
より快適に心地良く過ごせるものに成ると思います。

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