【1】具体的に建築計画を始める前に
先ず、建物を計画する前に計画地の立地条件などを見極める必要があります。
例えば、街中や街道沿いにおいて、室内に陽光が燦々と降り注ぐ大きな窓があり(道路側に)、部屋の中を緑の風が吹き抜けるというようなイメージで、郊外に建てるような開放的な建物を計画してしまうと、実際には窓を開ければ緑の風どころか排気ガスや騒音が侵入してきてしまい、しかもプライバシーまで守れないというような結果になりそうなことは、誰でも容易に想像がつきます。
このような例をあげるまでもなく、計画地や周辺の環境や雰囲気といったものをきちんと踏まえた上でプランをたてなけば、建てて住んでから後悔する事になるのはおわかりいただけると思います。
提示された設計条件、敷地形状、道路付け、隣地状況などだけを考慮して、他の条件をまったく無視し、一般的な、ちょっと洒落た、使いやすそうな家のプランを作ることもできるとは思います。
しかし、それでは「その家族だけの良い住まい」とは、到底言えません。
御家族が、自分達のライフスタイル上どう使いやすく、どう気持ち良く過ごせるかなどの検討なしには本来の「住まい」のあるべき姿とは言えないと思います。人それぞれ、家族それぞれに個性があるように、その方々が暮らす家にも個性があってしかるべきだと思いませんか。